「レベッカ」ダンヴァース夫人
ダンヴァース夫人:シルビア・グラブ
迫力あるダンヴァース夫人。平民の「わたし」を見下して、亡くなった「レベッカ」が築き上げた華やかな貴族生活を絶対的な「正義」として、継続させようとします。マキシムに対しても、命令には従いますが、心は不服従の眼差しをひるむことなく向けます。
微笑むことも無く、固い、コンクリートのような、張りのある歌声。かっこいい。
カトレアをレベッカに見立てて、頬ずりしているところです。
そんな忠誠を捧げても、レベッカにとってダンヴァース夫人は悩みを打ち明ける相談相手ではなく、自分を飾り立ててくれる取り巻きと同じ、特別感を際立たせる駒でしかない。
二幕で「わたし」が意図的にキューピットの像を壊した時の、ダンヴァース夫人の悲鳴。レベッカが作り上げた世界が、乱入者によって壊されていくのを、止める権限はダンヴァース夫人にはない。ダンヴァース夫人にとっても、自分の発言力を高める後ろ盾として、レベッカがいた・・・のかもね。
裏にはキューピッドを描きました(実際にある像の模写)
内緒だと口に指を当て、左手は矢を握ろうとしている。さあ、誰に恋の矢を射かけてやろうか・・・こんなノリのキューピッドじゃ、永遠の愛ではなく、火遊びの恋になってしまいそう。
枠は燃えてます。最後の火事、恋の炎、思う存分燃え盛るがいい!
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